2020/11/10
タモキシフェン165日目・ラストケモ238日目・放射線終了131日目・術後412日目・告知445日目
乳がん治療1年のベリーショート、1枚のセーターがおしゃれを思い出させてくれた
治療スタートして1年、タモの副作用はあるものの、心と身体と頭が一致してきた今日このごろ。
おしゃれが楽しいんだと、最近やっと思えるようになりました。
先日、黒のシンプルなハイネックセーターを購入したんです。
首の後ろ側に大きなパールが3つ縦に並んでいて、フィットして身体のラインが出るセーター。
今はベリーショートなので、ハイネックやタートルが格好良く着られるんじゃなかと、数年ぶりのハイネック。
デニムと黒ハイネックのジョブズ・コーディネートでも、後ろ姿がとても女性的な感じがして、ワクワクしてきました。
鮮やかなカラーパンツやレザーアイテムも合わせてみたいな、なんてコーデを思い描いているうちに、涙が出てきました。
私、おしゃれが好きだったんだ。
メイクしたり、コーディネート考えたり、アイロンあてたり、靴を磨いたり。
身体のラインが出るニットも、揺れるピアスも、可愛いブラジャーも、大好きだったんだ。
ずっと忘れてた。
やっと思い出した。
何か氷が溶けていくような心境でした。
タモの副作用で感傷的になっているだけかもしれませんが、気持ちが回復していっているような実感がありました。
抗がん剤治療中はとてもおしゃれに関心は持てなかった
がん治療中でも素敵なウイッグやメイクでおしゃれを楽しんでいる人も多く、せっかくだからイメチェン!とウイッグを楽しんでいる人たちもいて、とても眩しかったです。
私はそうなれなかった。
なかなかおしゃれを楽しむ気持ちになれなくて。体調もついていかなくて。
すてきなウィッグはあっても、「脱毛を隠している」という事実がどうしても心にひっかかり、気持ちが閉じてしまっていました。
洗濯や掃除などの日々の家事も体力的に最低限のことしかできなくて、少しでも洗濯のラクなもの、汚れの目立たないものを選んでいました。
そして外に出ても自分が目立たないように、自分を抑え込んでいたようです。
この頃、私は毎日同じ毛玉のついたセーターを着ていました。
それでも、これで良かったと思います。
気持ちを閉じることで、私は自分を守っていたんだと思います。
がん治療は、身体の回復も、心の回復も、時間がかかる。だけど、回復する。
もともと能天気な性格でしたが、この黒セーター事件で、乳がんになって、いかに心にダメージがあったかわかりました。
これまで頭ではなんとなくわかっていたんです。
焦っちゃだめだ、ゆっくりでいいから、回復していこう。そう思っていました。
でも焦っていたんですよね。
回復や再生はコントロールしようと思わないほうがいいかもしれない。
自分の底力を信じて、待ってみてもいいかもしれない。
元気だった頃の当たり前だった感情は「なくなった」のではない。
少しどこかへ行ってしまった(隠れてしまった)けど、ちゃんと戻ってきてくれた。
おかえりなさい、私の感情。
まだまだ、旅に出ている感情があるけれど、それも自分。
今の自分を大切にしながら、がん治療を続けていこう。
わかったこと:がん治療中、無理におしゃれをする必要はない
女性のがん患者の悩みは多く、きっと「見た目」に関することも多いと思います。
あくまで私の実感ですが、治療中はとにかく自分を大切にすることが大事。
周りの期待に応えようと、無理して元気なふりをしたりする必要はない。
無理しておしゃれをする必要なんてない。
女性は社会に「身だしなみ」という言葉で強制されることが多すぎる。
おしゃれをして気持ちが明るくなるならば、ぜひしたほうがいいけれど、自分のためにすること。
だからこそ、肌や体形、服装など、社会はもっと寛容になっていけばいいなと思います。
治療は想像以上に気持ちを消耗します。
無理をしないこと。人と比べないこと。
私はこれからホルモン療法が続きますが、「いかに無理せず、快適に社会生活を充実させるか」ということが課題です。
一緒に頑張っていきましょう。
おしゃれを思い出させてくれたブランドJENNEはこちら
Instagramで人気のJENNE(ジェンヌ)さん。パリジェンヌのような、シックさとガーリーさ。トレンドに左右されない大人かわいいお洋服がそろっています。たまたまインスタで見つけて、1年ぶりに「わあ!すてき!着てみたい!」という感情が戻ってきました。