乳がんのホルモン療法・タモキシフェンの副作用に苦しんでいる患者さんは多い。
薬の副作用で個人差があるものだと思っていたが、ドイツの医療機関による研究では「経験した副作用の数や重篤性は、これらの女性の思い込みに影響されることがわかった」とのことである。
詳細記事はこちら。
がん医療情報リファランス https://www.cancerit.jp/52094.html
まさに、ザ・「病は気から」説である。
あのホットフラッシュも関節痛も落ち込みも、すっきりしない思考も物忘れも、・・・気のせいなの?
徐々に変化していくものではなく、確実にタモ服用から一気に出た症状なので、これを「思い込み」と言われたら、
なんだか私は気持ちをコントロールできていないダメ人間のように感じてしまう。ちょっと落ち込むぞ。
そういえば、担当してくれた腫瘍内科医も、現在の主治医である乳腺外科医も、当初から「ホルモン療法の副作用はほとんどないから安心してね~ダイジョーブ、ダイジョーブ、ヘーキ、ヘーキ」って言ってたっけ。
もしかしたら、気持ち次第で副作用が変わってくることを前提に、不安にならないように言っていてくれていたのかもしれない。
この記事・この研究を、私たち患者が前向きに捉えるとしたら、今苦しんでいるタモの副作用は「今後ラクになるかもしれない」ということだ。
そして、そのためには「かる~く」「ゆる~く」楽しく生きていくこと。
がん治療中であることを忘れて、タモキシフェンはラムネだと思って服用するくらいで、深刻にならないこと・・・なのかもしれない。
ひとつ確実なのは、乳がんを始め、がん治療は「切ったらおしまい」ではなく、心にも長く影響を与えるものだということだ。
自分を大切にし、全ての人が自分の症状を理解してくれるわけではないと割り切って、思いつめないようにする。
それだけでも、少し気がラクになってくる。
この研究は心療内科医によるものだが、乳がんのホルモン療法(タモキシフェン)という、なかなか脚光を浴びない(地味だけど長くて大変な)治療をメンタル面からアプローチした研究がされていることが、とても嬉しい。
がん研究はスピードがすさまじく数年で情報が更新されていくが、乳がんのホルモン療法は5~10年という長い治療となる。
その患者のメンタルの追跡・研究がますます活発になることを望みます。